では第二回目では、その後のお話と飲食店の開店に向けての実践的なお話をしていきたいと思います。
あなたの経営したいお店像は?
前回の章では仕事をやめて、外的要因により飲食業界に戻ることにしたのですが、
その後というと、毎日自分は何ができる?何がしたい?
と自問自答していました。
流石に営業畑にどっぷり浸かっているとスキルはもうないですからね・・
退職金もある程度頂けたのでここでは約2か月位、下調べと自分を知る期間にしました。
そこで導き出したのが結論的には、
飲食業界スキル=ほぼ0
やりたいこと=ざっくり飲食店(珈琲すきだから珈琲だせたらいいな)
以上でした(笑)
これを読まれている方もカフェや喫茶店やりたいのになーって思っている方も多いのではないでしょうか?
『脱サラして繁盛しなくていいから自分で食っていく分だけでいいから、カフェ(喫茶店)をしたいんだよ。』
これよく聞く話です。
何億円も貯金がある人はいいですが当てはまらない方は正直、考えを改めてください。
理由
①技術不足で顧客満足につながる商材を提供できない。
趣味程度では一回目の来店があってもリピートには繋がりません。
②利益追求をしないので赤字が膨れる
好きな食材等を使うので利益率が低い、営業努力もしないので、
売り上げが上がらない。毎月かかる固定費もあるので結果的に赤字垂れ流し。
③体力の問題(実はここが一番つらい)
毎日12時間近く立ちっぱなしです。定休日も週一程度なのでおもったより体がきつくなります。
貯金もみるみる減ってしまい結果的に何の為に働いているのかわからなくなり、
一年もせずに閉店という事も多々あります。
どの業界もそうですが、独立するにあたり生半可な気持ちでは成功は出来ません。
ですので、今想像している理想のお店像、ライフスタイル像をもう一度精査してみてください。
さて私の場合、技術なし、数字面もいまいち良くわかっていない、どうしよう・・
⇔選択肢⇔
①今から現場で働きノウハウを必死に吸収する
②調理専門学校に入学し、学ぶ
③ノリで開業し、行き当たりばったりで経営する
大体この3択かと思います。
私の場合はというと、
②の教えてもらおうということで、退職金をつぎ込み一年制の専門学校に行きました。
そこで業界の流れや、技術、経営に関わる数字の算出の仕方とうみっちり教えていただきました。
結果的には一年である程度自分の考えをブラッシュアップすることができ良い時間になりましたね。
なにより、業界のTOPの方々との人脈ができたのはいまだに宝になっています。
専門学校に行く余裕がない、そんな時間がないという方にも独立にむけた実践的なマインド、
数字の出しかたを今後綴っていくので安心してください。
話は脱線しましたが、もし今読まれている方でまだ理想のお店像ができていない方は焦らなくて結構です。
ゆっくりイメージを固めていきましょう。
但しこれだけは肝にめいじといてください。
理想のお店=自分の趣味のお店 ではないという事
上にも書きましたが、珈琲が好き、自分の好きな本を置いたカフェ、自分が好きな空間を作りたい等、
理想があるのは良いことですが、自分の趣味色が強いと開業資金に歯止めが利かなくなります。
例えばA社の合板家具¥30000 ⇔ B社の無垢でできた家具¥150000
そりゃB社の家具を誰しもが使いたいですが、
見た目も変わらないのであればA社を選択するマインドが必要です。
利益がでて、資金繰りがクリアになればB社にすればいいのです。
しかし、自分の趣味色が強い方だとB社のものを『絶対これでないといけない』と導入してしまいがちです。
結果的に思いが強いばっかりに良いものばかり選んでしまい開業資金だけでも、
当初の予定の二倍、三倍と膨れ上がることになります。
ですので、独立するにあたりまずは利益ベースで考える癖をつけてください。
実践的な事だと、例えば外食した際にこの値段で提供しているなら客単価いくらで、
一日何人の集客がありそうだから、この店の売り上げは○○円だろうなーといった具合いです。
更に付け加えれば、
・立地から予想される賃貸料(坪単価)
賃貸のサイトで調べればある程度予想ができます。
・客層
ビジネス街、住宅街、商業エリアによりおおきく変わってきます。
ランチが強いのか、はたまたティータイムに強いかのか、ディナー需要があるのか
客層により商材の選定基準を考える癖をつけてください。
・内装
ここに関しては、ある程度経験がないと予想ができませんが、
安っぽい店だなーだとか、この店お洒落だなーというアバウトなイメージ感を持ったことありませんか?
とりあえずそれでいいのです、しかし一歩踏み込んでよく考えてください。
何が安っぽいのか、何がお洒落なのか具体的な自分なりの答えを出すようにしてください。
そして自分ならこうするのになーっと言うイメージも持つようにしてください。
・商材
ドリンクであれば、何を使っているか(材料、調理器具(抽出器具含む)、カップ、包材)
そして、ネットなどを使ってどれくらいの価格か調べてみてください。
食材であれば、冷凍ものか、お店で仕込んだものか等注意して食べてください。
そうすれば、ある程度の原価が見えてくると思います。
※基本はドリンク類約8~10%、ビールワイン30%、食材20%~30%
・スタッフ
キャパにあわせて人の採用が必要になってきます。
これぐらいのお店なら何人の人が必要か実際に色んなお店に行ってスタッフの人数を見てください。
そして、立地にあわせた時給計算もしてみてください。
こちらも求人サイトをみればおおよその金額が算出できます。
上記を踏まえ、
賃貸料+原材料+人件費+水光熱費等ある程度月単位で必要なお金の計算できるようになります。
まーほかにも色々と試算に付け加えないといけない項目があるのですが、
とりあえず上であげた項目は外食をする機会があるなら考えるようにしてください。
そうすればいくら位の売り上げで損益分岐になるかざっくりと計算できるようになります。
利益ベースのマインドを持つことにより学校に行かなくても、
ランチタイムに寄ったお店が教科書のなかの問題となるのです。
答えはそのお店のオーナーさんしかわからないですが(笑)
脱サラを考えている皆さん、とりあえず何をどうしていいかわからないと思っているという方、
とりあえず何度も言いますが、サラリーマンのマインドから経営者としてのマインドになるように
ファーストステップとして持ってください。
何事も利益ベースで考え、様々なお店で数字を予想し、自分のお店の理想像を
実現可能な理想像にして固めてみてください。
ではまた次回、実践的な要項も盛り込みつつ綴っていきたいと思います。